こんにちは!横浜ピラティススタジオの宮原崇です。

骨盤底筋群のトレーニングとネット検索するといくらでも出てくると思いますが、「骨盤底筋群の収縮を実感」できる人は少ないと思います。

分娩経験、尿失禁症状がある患者の30%は随意収縮が出来ないということが、座った状態で骨盤底筋群をMRIで評価した研究から明らかになっています。

また、骨盤底筋群の収縮する能力は個体差が大きく、若年層の女性の25%は随意収縮が上手く出来ていないこともわかっています。実際には骨盤底筋という言葉を意識して収縮が可能なのは女性の中でも50%と言われています。

骨盤底筋群の収縮が難しい方に行われている「バイオフィードバック療法」

医療機関でバイオフィードバック療法が行われるケースとして、骨盤底筋群の筋力低下を生じていて、収縮感覚の低下が起きている場合に利用されています。

骨盤底筋群の収縮を「触覚」「視覚」「聴覚」を利用した骨盤底筋のトレーニング方法です。

具体的な方法をいくつか紹介致します。

一つ目は「膣内圧計」を用いた方法です。

膣内に筒状の圧センサーを挿入して、内圧が目標値に到達するように視覚で確認しながら骨盤底筋群を収縮させる方法です。

二つ目は「筋電図」を用いた方法です。

電極がついたプローブを膣内に挿入して、骨盤底筋群を収縮させて筋電図波形で収縮の度合いを視覚的に確認していきます。

この二つのバイオフィードバックの有効性は骨盤底筋群の筋力増強促進に繋がるという発表があり、「女性下部尿路症状診察ガイドライン」では推奨グレードBとされています。

その他の骨盤底筋群の収縮トレーニング方法

その他には「膣コーン」と呼ばれているタンポン型の錘を膣内に挿入して、骨盤底筋群の収縮を触覚的に感じて、歩行練習をする方法です。

この方法の有効性は、長時間を行うことで血流、酸素供給の減少、筋疲労、痛みを引き起こすと同時に骨盤底筋群以外の筋での代償が起きる可能性も大きいとされています。

それもあってか、「女性下部尿路症状診察ガイドライン」での推奨グレードは「C」となっています。

「電気刺激」というものは陰部神経に刺激をして、収縮を促す方法ですが、有効である言われていて「女性下部尿路症状診察ガイドライン」での推奨グレードも「B」と高い評価でありますが、効果を証明された報告はないようであります。

「磁気刺激」に関しては、衣服や皮膚や骨を貫通するという理由から着衣のまま神経や筋に刺激をして骨盤底筋群をトレーニングしていく方法です。有効性に関しては「女性下部尿路症状診察ガイドライン」での推奨グレード「B」とされています。

日々の健康管理の参考になれば幸いです。