こんにちは!横浜ピラティススタジオの宮原です。
猫背の人や巻き肩の人に対して「親指を後ろに捻って肩甲骨を寄せましょう」というアドバイスは一見正しいようですが、解剖学的観点では誤りというお話です。
世の中で健康づくりの常識となっていることが実は正しくない、ということはよくあることであります。いかに現状を疑い、様々な情報や知見を掴みに行くことは非常に大切だと最近よく感じております。
さて、本題に入りましょう。

肩関節の代表的な関節が肩甲骨+上腕骨=肩甲上腕骨というものがあります。肩甲骨側には関節窩という受け皿があり、上腕骨の先端には上腕骨頭という丸い形状をしたものがはまっております。
肩に痛みがある人や不調を抱えている人は、この関係性にズレが生じています。どのようなズレかと申しますと、受け皿役の関節窩に対して上腕骨頭がきちんと中心の位置を保ちながら、バンザイ動作をしたり肩を動かせられることが大切であります。
これが出来なくなると「オブリゲートトランスレーション」という症状につながります。肩を動かすと痛みが出る人は「肩峰下インピンジメント」あるいは「烏口下インピンジメント」という症状になっていることが多々あります。
これは骨と骨がぶつかったり、あるいはその間にある組織が挟まれたりする状態であります。猫背や巻き肩の人で肩が痛い、という人は後者の「烏口下インピンジメント」の症状になっている可能性が高く、このような症状に対して、「親指を後ろに捻りながら肩甲骨を寄せましょう」は解剖学的観点からもタブーであります。
その理由はそれを行うことで「余計に巻き肩を促進してしまう」からであります。
続きはまた次回ということにしましょう。


