― エビデンスから読み解く転倒予防の本質 ―
高齢になると増えてくる悩みのひとつが「転倒」です。
転倒は単なるケガではなく、
- 骨折
- 寝たきり
- 活動量の低下
- 生活の質(QOL)の低下
へと繋がる重大な問題です。
では、なぜピラティスが転倒予防に有効だと言われているのでしょうか。
本記事では、最新の研究をもとにその理由を整理します。
1. 転倒の原因は「筋力不足」だけではない
転倒というと「足腰の筋力低下」が原因だと思われがちですが、実際にはそれだけではありません。
転倒リスクを高める要因
- バランス能力の低下
- 姿勢制御の乱れ
- 体幹の安定性低下
- 感覚入力(足裏・前庭・視覚)の低下
- 動作の予測能力低下
近年の研究では、筋力よりも“姿勢制御と感覚統合”が転倒に強く関与することが示されています。
2. ピラティスは「姿勢制御トレーニング」である
ピラティスは、単なる筋トレではありません。
呼吸・体幹・四肢を統合しながら、身体をどう支え、どう動かすかを学習するエクササイズです。
▶ エビデンス
ランダム化比較試験やシステマティックレビューでは、
ピラティスは高齢者のバランス能力・姿勢制御を有意に改善する
と報告されています。
- Barker et al., 2015
- Cruz-Díaz et al., 2018
- Oliveira et al., 2022
特に、
- 片脚立位
- 動的バランス
- 重心移動能力
の改善が確認されています。
3. 「体幹」が転倒を防ぐ最大の鍵
転倒の瞬間、身体は一瞬で「立て直し動作」を行います。
その中心となるのが**体幹(コア)**です。
ピラティスが体幹に効く理由
- 腹横筋・多裂筋などの深層筋を優先的に活性
- 四肢運動中でも体幹を安定させる練習
- 呼吸と姿勢筋の協調
▶ エビデンス
体幹安定性トレーニングは、
高齢者の姿勢動揺を減少させ、転倒リスクを低下させる
ことが報告されています。
(Granacher et al., 2013)
👉 ピラティスは、まさにこの要素を体系的に含んだ運動法です。
4. 感覚統合を高めるから「つまずきにくい」
人は無意識のうちに、
- 視覚
- 前庭感覚(平衡感覚)
- 体性感覚(足裏・関節)
を統合してバランスを保っています。
ピラティスでは、
- ゆっくりとした動作
- 支持基底面を変えた姿勢
- 呼吸と動きの同調
を通して、感覚情報の処理能力を高めます。
▶ エビデンス
高齢者における感覚統合トレーニングは転倒率を低下させる
ことが複数の研究で示されています。
(Sherrington et al., 2019)
5. 「怖さ」を減らすことも転倒予防
転倒経験があると、
- 動くのが怖い
- 歩幅が小さくなる
- 動作がぎこちなくなる
といった悪循環が起こります。
ピラティスの心理的効果
- ゆっくり・安全に動ける
- 成功体験を積みやすい
- 身体への信頼感が戻る
▶ エビデンス
ピラティスは、
転倒への恐怖感(Fear of Falling)を有意に低下させる
ことが報告されています。
(Cruz-Díaz et al., 2016)
6. まとめ|転倒予防に必要なのは「賢い運動」
転倒予防に必要なのは、
❌ ただ歩く
❌ ただ筋トレをする
だけではありません。
✔ 姿勢制御
✔ 体幹の安定
✔ 感覚統合
✔ 心理的安心感
これらを同時に高める運動こそが重要です。
ピラティスは、
「転ばない身体の使い方」を再学習する運動療法
と言えるでしょう。
将来の転倒が不安な方へ
「年齢だから仕方ない」と諦める必要はありません。
身体は、正しく使えば何歳からでも変わります。
ピラティスは、
安全で、段階的で、エビデンスに裏付けられた
転倒予防の方法として多くの方に信頼されています。
将来に向けてぜひ体験にお越しください。


