こんにちは!横浜ピラティススタジオの宮原崇です。

肩こり・腰痛をお持ちの方は身体の構造的な部分に着目しがちですが、それだけではないという事実を把握しておくべきであります。

また、高齢者が歩行困難になる要因として「筋力」が着目されていますが、これもそれだけでは根本的な解決が出来ないと考えた方が現実的であります。

人が歩行で前進している時に、周りの景色が自分の周りを動いている感覚を「オプリックフロー」と言います。

この感覚を認識していることで、自己の空間認識を促すことで不安を軽減することが可能です。

逆にこの能力が低下することで脳が「自分がどのように動いているのか」ということを認知できなくなります。

そうなると、筋肉の過剰の緊張が出るようになったり、不良姿勢が交感神経も優位になります。

現代人はデジタルデバイスの使用が日常的になっており、画面を長時間閲覧することで、周辺視野も狭くなりオプリックフローの喪失も十分に考えられます。

そもそも「周辺視野」という言葉に馴染みがないと思いますので、少し解説を加えたいと思います。

「周辺視野」とは人が外の情報を中心から離れた範囲を見ることを示しております。

ちなみに「視野」には「中心視野」「有効視野」「周辺視野」が存在していて、中心から順に段々と外に向かって視野が横に広がっていきます。

中心視野には高い色彩の感度と解像度があり、細部の認識を行うことを得意としています。

一方で周辺視野は動きや明暗の変化に対して非常に敏感であります。

また、広範囲の視覚情報を同時に処理をすることも可能です。

周辺視野の機能の低下の有無は日常生活の質にも大きく関与します。

よく「悩み事があると視野が狭くなる」ということを見聞きすると思いますが、こういう心境になっている時は周辺視野も狭くなり、交感神経が活性化されており、全身の筋緊張が増加してしまいます。

逆の言い方をしますと、周辺視野が広がることで副交感神経が優位となり、筋肉が過剰な緊張を抑制することが可能となります。

次のメリットとして、周辺視野は前庭覚と体性感覚とリンクしますので、姿勢とバランスの維持に役立ちます。

その他、「空間認知が向上することで転倒予防に繋がる」あるいは「運動パフォーマンス向上」にも繋がりますので、健康づくりに役立てれば幸いです。